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AEDのこと その③ 心室細動と不応期・受攻期 [健康]

(うろ覚えですが)
何年か前、高校球児のピッチャーが試合中打球を胸に直撃で受け心肺停止になり、偶然 観戦していた消防士の方がAEDで処置をし、一命を取り留めた というニュースがありました。

心肺停止、心室細動・・・ は、元々の既往症が無くても突然発症することが多い。

この高校球児の場合は、打球が胸に当たった衝撃で、
「心臓震盪(しんぞうしんとう)」になった と報道された記憶があります。
(「心臓震盪」という言葉をこの時初めて聞いたので、それで憶えています)

洞調律で正常に心拍を刻んでいる心臓が、何かのきっかけで心室細動へ移行する・・・

その「きっかけ」は、一体どういう事なのでしょうか・・・

また、心室細動が起こったときに AEDやカウンタショックで電気ショックを加えることで、
どうして洞調律に復帰するのでしょうか・・・

くり返しになりますが、
  誤記や、間違った解釈があった場合は、是非ご指摘をお願いします

 

再び、心電図サンプル波形です。
ecg2.png


上図のように心電図一拍 のそれぞれの波形が、心臓各部の様子を表していることは、ひとつ前の記事で説明しました。
 

◆受攻期と不応期
 
更にこの「一拍」の心臓の動きの中で、

外部からの刺激に対して反応しやすい時期」と
外部刺激を受けても、あまり影響がない時期

があります。
 
それが下図です。
ecg3.png


心室が興奮(収縮)している最中は、ほとんど外部からの刺激(電気刺激や、衝撃等)を受けにくい状態が続きます。
この時期を「絶対不応期」と呼びます。
 
心室の興奮が終了し、再分極(心室の収縮が元に戻る間)が始まる頃、
それまでの不応期の「閾値」(ある一定の刺激以上の負荷がかかると、再び興奮してしまう その値)が下がり
この時期を「相対不応期」と呼びます。
 
そして、
最も外部刺激に対する閾値が下がる不安定な時期が、丁度 「T波」の頂上あたり
この時期を「受攻期」と呼びます。
 
普段の生活でも、不整脈が頻発する患者さんで、R波が丁度このT波のあたりにぶつかると
これを「R on T」と呼び、直後、心室頻拍 → 心室細動 へ移行する危険が非常に高くなります
 
始めに書いた、高校球児が打球を胸に受けた 時、詳細は分かりませんが、
タイミングがこの「R on T」で打球を受けたとしたら、心室細動へ移行することは十分考えられます。
 
ほんの数ミリセカンドのタイミング ですが、非常に危険な状態です
 
 
 
◆AEDの動作
 
AEDのパッドを要除細動者の胸に貼ったときから、AEDは心電図解析を始めます。
 
(AEDがどのように心電図を解析しているのか のアルゴリズムについては、私は全く知りません)
 
洞調律(普通の心拍)で、R波 を認識できているときには、カウンタショックのエネルギー充電は始めません。
R波が認識できなくなり、VF(心室細動)の波形 と認識した直後(?)からエネルギーチャージを開始し、
除細動のガイドが始まる・・・ (と思います)。
 
VFに移行していたら、いち早く除細動の指示を出し、
カウンタショック放電後 継続して約2分間隔で心電図解析を継続します
 
その後、VFと認識すれば、再びエネルギーチャージが始まり、
除細動のガイドが始まります。
 
ひとつ前の記事でも書きましたが、
VF(心室細動)は、心室内で無秩序に発火・興奮が起こってしまっている状態です。
 
それを、カウンタショック(AED)の外部電気ショックでリセットをかけ、
洞調律が戻ることを期待する

という処置です
 
AEDは、「重篤な不整脈」のひとつである 「心室細動」を認識したとき、動作を始めます

AEDのパッドを胸に貼ったとき、心電図が洞調律の場合 あるいは すでに 心停止 してしまっている場合 には、
どちらも AED は、「放電の必要はない」 と判定します。
 

意識が無く、呼吸も止まり倒れてしまった人がいたら、
まず意識の確認、気道確保、救急への通報、
呼吸と意識が確認できなければ出来るだけ早く胸骨圧迫を開始、継続しながら、
AEDが近くにあればパッドを貼って準備する。
 
 
※心臓の動き 及び 救急救命方法、AED操作 等についての詳細は、
  最寄りの消防署、医療機関等へお問い合わせください。

 
 

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コメント 13

ヒロ

こんにちは。冒頭の話、だんじりで有名な大阪は岸和田の話です。
詳細→http://www2.asahi.com/koshien/news/OSK200704300021.html
この上野君のご両親は、その後講演を通してAEDの必要性を説いておられるそうですよ。

今回の連載、大変勉強になります。ありがとうございます。
by ヒロ (2011-08-18 15:23) 

大将

野球のデッドボールで心肺停止するにも
タイミングがあるようですね
運もあるのかなぁ。。。
そりゃぁAEDも完ぺきではないですよねぇ
それが完全に心停止した人には効かないとは!
これは正直驚きですね
逆に健康な心臓にはダメとかそういうレベルだと思っていました
それにしても、AED自体
あんなサイズにものすごい技術が詰め込まれているんですね
by 大将 (2011-08-19 00:37) 

のろ

AEDの検査の機能にちょっとビックリでした。
単に電気ショックを与えるものだと思っていました・・・。
by のろ (2011-08-19 03:20) 

hidechan

ヒロさん、ありがとうございます。
・・・岸和田の事故でしたか・・・
私の次男も高校球児でしたので、他人事とは思えませんでした。

記事を書きながら、だいぶ忘れてしまっているところもあり、また解釈が変わってきているところもあり で、私自身、再確認と改めて勉強ができているので、いい機会です。
by hidechan (2011-08-19 10:01) 

hidechan

大将さん、ありがとうございます。
タイミングと運・・・ 確かにあるのかも知れませんね。
この時は、たまたま観戦している中に、消防の方がいらっしゃった・・・
そして、高校もAEDが設置されていた・・・

>それが完全に心停止した人には効かないとは!

これは、今 確認中です。
今まであまり気にしたことがなかったのですが・・・
記事を書きながら・・・
心肺停止でパッドを貼ったら、AEDはどう動くのか・・・

ちょっと時間をください。

>逆に健康な心臓にはダメとかそういうレベルだと思っていました

洞調律で、PQRSTがきちっと認識できている状況だと、AEDはエネルギーチャージもしないはずです。
これも確認します。
by hidechan (2011-08-19 10:07) 

hidechan

のろさん、ありがとうございます。
今回の記事でも書かせていただいたように、一拍のなかで、とても危険なタイミングがあります。

一般人が操作することもあり得る と言う前提でつくられている医療機器なので、このあたりのアルゴリズムは、しっかりできていると思います。
by hidechan (2011-08-19 10:12) 

hidechan

misttaさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-19 10:13) 

hidechan

dendenmushiさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-19 10:13) 

hidechan

ソニックマイヅルさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-19 10:14) 

hidechan

井上酒店さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 19:45) 

hidechan

yangt3さん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-21 19:45) 

hidechan

たかれろさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-29 10:04) 

hidechan

e-g-gさん、ご訪問&niceありがとうございます。
by hidechan (2011-08-29 10:05) 

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